


親指操作のトラックボールを愛用していると、帯に短したすきに長しという製品ラインナップに泣かされることが多いのですが、このELECOMのIST PROは自分が欲しい機能が全て入っていてさらにあれもこれも!という買わない理由がないものだったので即予約して手に入れました。
1ヶ月弱使ったIST PROのレビューをしていきます。

バッテリー残量の様子を随時更新しています
製品仕様:主要部分のみ
ボールサイズ | 直径36mm(約30g) 交換用は純正品しか見当たらず |
ボタン数 | 10ボタン(左右クリック、ホイールボタンと左右チルト、進む/戻るボタン、独自のファンクションボタン3つ) |
接続方式 | 有線、無線、Bluetoothで最大6台登録可能 |
解像度 | 初期設定は500/1000/1500dpi サポートソフト「ELECOM Support Assistant 6」にて100~12,000dpiまで100dpi刻みで設定可能 |
重量 | 約158g ※電池含まず |
サイズ | 幅 約 94 mm × 奥行 約 136 mm × 高さ 約 56 mm |
付属品 | USBレシーバー、単3形アルカリ乾電池 2本、取り外しツール、有線接続用ケーブル[USB Type-C – USB-Aケーブル(約1.5m)] |
電池寿命 | 最長約18カ月(アルカリ乾電池使用時の目安) |
保証期間 | 2年間(M-IPT10MRSBK)または1年間(M-IPT10MRSABK) |






デザインと使い心地:個人的には非常に高得点
1. デザイン
シボ付きの艶消しブラック、濃いめの艶消しグレーを主体とした本体に、ボールもグレーと、色の統一感があるデザインとなっています。
上面にELECOMのロゴもありますが控えめです。
2. グリップ感
手首への負担を軽減する角度となっていることと、薬指と小指があたる部分にへこみが作られているため非常に手に馴染みます。
3. ボタン配置
通常の3ボタン(チルト含む)は定番の位置、進む/戻るボタンもこの形状なら定番の左クリックボタンの左側に、2ボタンは進む/戻るボタンの手前のボール側に前後に、残る1ボタンは右クリックボタンの右側に配置され、それぞれ人差し指、親指、薬指なら最小の動作で操作できるようになっています。
どのボタンへもほとんど自然と触れる配置ですが、戻るボタンだけは人差し指を曲げる角度が大きめで多少使いにくいと感じています。
また上記以外に、ホイール手前に3段階のポインタ速度切替スイッチ、左サイド手前側に電源スイッチと接続先切替ダイヤル、底面にペアリングボタンがあります。
4. ホイールの仕様
ホイールは表面がラバー素材で凹凸はありません。
回転ごとに軽い抵抗があります。
強く回しても速度が変わったりはしません。
5. ボールの動き
使い始めはガラガラガラとうるさく、引っかかるような感触も多々あり、ベアリング支持ユニットを着脱してみたものの変化はありませんでしたが、小一時間ほど使っているうちになめらかな動きができるようになり、最初の騒音もなくなりました。
それ以後は安定していて、ボール着脱をしても変化ありませんでした。
大きく動かしても減速感なく滑ってくれるのは快感です。
ただし音は一般的なトラックボールと比べるとかなり発生します。
特に弾くように転がすとシャーッとかなり大きな音となりますが、マウスを大きく動かす動作音と比べたら大差ないでしょう。
6. バッテリーの持ち
2025/3/7時点(約2ヶ月間)でのバッテリー残量表示は43%です。
2025/4/21時点(約3ヶ月半)でバッテリー残量表示0%の警告が出ました。
※ 最初に付属していた電池なので参考程度にお考えください。翌日に新品のアルカリ電池と交換しました。
7. カスタマイズ性(パッケージ内容)
「ELECOM Support Assistant 6」をインストールすることで全てのボタンと前後スクロールの計12箇所の設定が可能です。
各ボタンには、プリセット機能、キーボード入力、アプリやファイル実行、ジェスチャー機能の割り当てと多岐にわたります。
- プリセット機能:コピー、ペースト、印刷、音量コントロールなどあらかじめ用意された設定
- キーボード入力:任意のキーの同時押し、キーの連続押し、指定の文章入力のいずれか
- アプリやファイル実行:選択できるのはアプリケーションやファイル、またはそのショートカットのみ。フォルダやエクスプローラーなどは選択不可
- ジェスチャー機能:カーソルを特定の方向に動かすことで任意の動作を実現させるもの
プリセット機能の中のモード切替をセットすると、ファンクションボタン3つがサブモードとなって別の機能割り当てをできるようになります。
モード切替を押すことでメインとサブに切り替わるので便利ですが、切り替えたことが画面上に表示されずわかりにくいのが惜しいところです。

僕は以下のボタン設定で使っています
・ファンクションボタン以外 デフォルト値
・親指奥側 [Home]キー:Chromeでページ最上部へのスクロール
・親指手前側 [End]キー:Chromeでページ最下部へのスクロール
・薬指側 [Shift]キー+[.]キー:YouTubeの再生速度UP(1.5倍速再生が多いため)
解像度も100~12,000dpiの間で設定可能です。
ポインタ速度切替スイッチは3段階あるのでその3つと、一時切り替え用の計4つ設定しておけます。
パソコンとUSBケーブルでつないでハードウェアモードで設定しておくと、一部の設定(4番目の画像参照)は「ELECOM Support Assistant 6」が入っていない環境でも使えるため、職場でソフトインストールが許されていない場合などは、自宅であらかじめ設定しておくとファンクションボタンを無駄にせず使用できます。




7. カスタマイズ性(オプションパーツ)
交換用の部品として以下の製品が用意されています。
- ELECOM Bridge G1000 USBレシーバー(M-GR10シリーズ)
USBレシーバーを追加すれば2台目以降を割り当てられるようになります。 - 交換用バッテリーパック(M-BP10)
単3乾電池の代わりに使える充電池です。
4/21追記:600mAhのリチウムイオンバッテリーで、フル充電から約5時間使用できるものです。
4/29追記:5月下旬発売とのプレスリリースが発表されました。 - 交換用36mmボール(M-B10SV)
- 交換用ベアリング支持ユニット(M-BS10)
製品に使われているものと同等品です。 - 交換用人工ルビー支持ユニット(M-RS10)
一般的なトラックボールに近い支持ユニットへの変更ができます。
ベアリング支持ユニットが合わない方や静かな環境で使いたい方はこちらへ交換するといいでしょう。
8. 静音性
総じて静かです。
ボタンによって音量が異なります。
クリック音とスクロール音はかなり静か、その他のボタンとチルトはやや静かです。
ボールは1cm以内ならかなり静か、それ以上で指を離さなければやや静か、弾くと多少うるさいといったところです。
実際に使って感じた長所と短所
まず第一にベアリング支持ユニットによるなめらかなボールの動きが快適かつ快感です。
各ボタンが静かなのも○です。
ファンクションボタンが3つあるため、アプリでの割り当ての自由度がかなり高くなっています。
あらかじめ設定しておくことでソフトがインストールできない環境でもファンクションボタンを使えるようになっているのも素晴らしいです。
また、本体をひっくり返さずにペアリングボタン以外のスイッチやボタンにアクセスできるのも地味ながら良ポイントです。
戻るボタンが手前寄りで押しにくい点です。
人差し指が長い人ほど影響が出ます。
右利きモデルしかありません。
価格も2年保証モデルはおろか、1年保証モデルでも最高値クラスです。
まとめ
高機能トラックボールを求めるユーザーにとっては、ELECOM IST PROは非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
しかし、価格やベアリング支持の感触、戻るボタンの位置等が気になる方もいるかもしれません。
購入を検討する際は、これらの点を考慮し、ご自身の使用環境に合うかよく検討されることをおすすめします。
ELECOM IST PRO 2年保証 M-IPT10MRSBK
公式サイト
直販価格:24,980円(税込)
ELECOM IST PRO 1年保証 M-IPT10MRSABK
公式サイト
直販価格:19,800円(税込)
